建設市場のピークはいつ?

2015-11-01
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今後の建設市場の予測

 建設市場は、2019年をピークに縮小、量から質へと需要転換が本格化、ゼネコンや建築設計事務所、建設コンサルタントなど建設関連企業の経営者が長期的な事業動向をそう見ていることが、日刊建設工業新聞社が各社トップに行ったアンケートで明らかになった。
 今ある需要を取り込みつつ、今後成長が期待できる分野・領域をどうつかんでいくか。多くの経営トップが市場動向や環境変化を捉え、人材の確保・育成や生産性の向上、海外事業の拡大に力を注ごうとしている。

 2015年9月に建設業関連100社の社長を対象に、建設市場の長期的動向や市場変動への対応策などについてアンケートを実施。81社の経営者から有効回答を得た。
(アンケートは、ゼネコン、デベロッパー、建築設計、建設コンサルタント、建築設備、道路舗装、資機材メーカーの各企業より回答)

 2015年の建設市場を基準に長期的(16から25年の10年間)な市場動向を予測してもらった結果、19年までは「増加」または「やや増加する」とする回答が多かった。だが、20年を境に「同水準」も含めたこれらの回答の割合は減少。20年以降は、「財政健全化に向け公共工事が抑制される」「市場環境の低迷は避けられない」など厳しい市場環境を危惧する声が目立った。長期的には、市場の縮小が続くとの見方が支配的だ。

 一方で、建設市場は大きく変動せず、底堅く推移するとの予測もある。「景気変動に伴い微増減はあるものの、基本的には15年と同じ水準で推移する」(白石達大林組社長)などの意見も寄せられた。

 五輪特需のような増加は期待できないが、「都市の再開発やインフラ老朽化対策、リニア中央新幹線など一定の社会資本整備が見込まれる」(宮本洋一清水建設社長)、「リニューアル市場の伸びが見込まれる一方、維持更新では対応しきれないストックの建て替えや再開発の需要も想定される」(宮下正裕竹中工務店社長)と見ている経営者も少なくない。

 社会資本ストックをどう維持・更新していくか。こうした需要の質的転換を伴う市場ニーズが続くと予想する経営トップは多い。

 市場変動や環境変化にどう対応していくかは重要な経営課題の一つである。アンケートでは、こうした変化への対応策として「現場生産性の向上」や「海外事業の拡大」など10項目を挙げ、特に重要だと思う対応策を5項目まで選択してもらった。その結果、多かったのは「人材の確保・育成」(71人)、「現場生産性の向上」(62人)、「海外事業の拡大」(51人)となった。

 長期的視野で成長が期待できる事業分野・領域には、「維持・更新」「防災・減災」「エネルギー・環境」などを挙げるトップが多い。このほかにも「CM、PPP、PFIなど従来型請負以外の事業分野の拡大。海外ではアジアの新市場の開拓による受注増を見込む」(押味至一鹿島社長)などの分野・領域が挙がった。新規分野としては、エネルギーや環境、医療、PPP・PFIなどが目立った。

 今後、縮小していくと見る分野・領域は、「既存分野の新設・新築」という回答でほぼ一致した。「特定の分野・領域が縮小するというよりも、人口減に伴う需要減少や公共部門の財政的制約などの中で、市場全体が引き締まると予想する」(村田誉之大成建設社長)と今後を見据える声もあった。

 これらのアンケートの記事より、「量から質への転換」、「人材育成や生産性向上」等の対策を今から考え実行していくことが、2019年以降に予想される厳しい建設環境下でも仕事につながっていくことと思われます。

 

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